第189回 全経簿記上級解答速報 & 気になったこと

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第189回 全経簿記上級解答速報

昨日行われた全経簿記上級検定試験を受験された皆様、お疲れ様でした。
ネットスクールでは、試験日当日に解答速報と一部の問題の解説動画を公開させていただきました。
まだご覧になっていない方はこちらからどうぞ。

〇全体の印象

工原の難易度が高く、合否の分かれ目になったのではないかと思われます。
難易度が高いときは傾斜配点の可能性もありますので、自己採点で結果が振るわなかった方も結果発表まで希望を捨てないでくさいね。

商業簿記

問題1

問1の仕訳問題で、工事進行基準の勘定科目が「半成工事」などの科目群で出題されました。
建設業会計は多くの受験生が「未成工事支出金」や「完成工事未収入金」等の勘定科目で学習しているはずです。
初めて見た勘定科目群にフリーズしてしまった方も多いのではないでしょうか。
調べてみますと、「半成工事」等の勘定科目群は主として造船業で使われている勘定科目ということです。
建設業界でこの勘定科目を使っている会社は皆無といってもいいでしょう。
と言いますのも、建設業法施行規則では別表において「未成工事支出金」等の勘定科目が指定されており、建設会社はこの指定勘定科目群に従って会計処理をしているからです。
さらには、建設業許可申請をする際に提出が必要な財務諸表のひな形が建設業施行規則の別表に指定されている勘定科目により作成されています。
そう考えると、建設業許可を申請するときに「半成工事」等を記載した財務諸表を提出しても、審査担当者が理解できず、受理されない可能性があるのです。
問題には「建設工事」と明記されており、法令に沿わない勘定科目で出題することは、作問に問題ありと言わざるを得ません。
ここで、私個人がああだこうだ言っても説得力がありませんが、建設業振興基金建設業経理士検定試験が一貫して「未成工事支出金」等の勘定科目群で出題していることが、何よりも建設業界における会計処理のスタンダードを示しています。

問題2

損益勘定、閉鎖残高勘定の問題でしたが、退職給付の問題に不備があったようです。
ひょっとすると配点が来ない可能性がありますが、問題の不備による時間の浪費の責任はいったい誰が取ってくれるのでしょうか?
また、決算整理事項の1が先物取引で、貸倒引当金の設定が11という配列は意地悪でしたね。
解けるところから解いていくという姿勢があったかどうかが得点を大きく左右したと思います。

会計学

問題1

はいつもの〇✕問題で特筆すべきところは無かったように思います。

問題2

商品評価損に関しての穴埋めと論述でした。
損益計算書上で商品評価損の計上場所と、どのような理由でそこに計上するのかの理解を問う問題でした。
穴埋めで(e)洗替法 が書けたでしょうか?

問題3

財務諸表からキャッシュフローを計算する問題でした。
営業収入の計算で、前受金の扱いを正しくできたかどうかがポイントだったと思います。

工業簿記

問題1

部門別計算でした。
「製造部門において当該補助部門費配賦額は変動費として扱われる。」
という指示を計算に正確に反映できたでしょうか?

問題2

正常減損と副産物が発生する単純総合原価計算でした。
一見簡単に解けそうに見えますが、副産物の発生点が終点発生ではないという問題でした。
そのことを無視して、副産物の原価を完成品負担にしてしまった人も少なからずいると思われます。
副産物の処理は、仕損品に評価額がある場合の処理と同じであることを知っていた方は、戸惑うことなく計算できたと思います。

原価計算

問題1

なんと、予算編成が出ました。
予算編成の問題を解いたことがないかたはお手上げだったのではないでしょうか。
日商簿記1級では出題実績がありますので、日商簿記1級対策で解いたことがある方はある程度対応できたと思います。
それでも、手間が掛かることに変わりはありません。第2問、第3問を解いてから、時間の許す限り解くという戦略が良かったのでないでしょうか。

問題2

予算実績差異分析
苦手な受験生が多い予実ですが、得意な方は満点が狙える問題です。
ここで点を稼げたかどうかがポイントと言えるでしょう。

問題3

予算管理に関する穴埋めと論述でした。
問題1、問題2の流れを問題3で総括するような内容でしたが、漠然としていて非常に厳し問題でした。
(ウ)業績 は文脈から正答できた方が多かったかもしれません。
(ア)期中統制 は問題文中の「期中」を見つけて一か八か。
(イ)参加 は会計用語的ではないので、まず出ないでしょう。
論述に至っては、もうお手上げだったと思います。
ここの論述をスルーして問題2、問題1に時間をかけるべきだったと思います。

以上、気になった点をお話ししました。
まあ、なんというか、難しい回であったことに間違いはありません。
ですが、全経簿記上級検定は毎回合格率を20%前後に合わせるように配点箇所を調整してきます。
自己採点で6割くらいだった方も、希望を捨てないでいただければと思います。

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